囚人のジレンマ|自分の利益を追求すると全体として損する話

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囚人心理学
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プロローグ

あ~、さっきはひどい目にあった。

怪しいものにはうかつに近づかない方がいいな。

おっ?あの道端にある謎の小屋は何だ?あんなの今まで無かったけど・・・。

・・・入ってみよう(スットボケー)。

―小屋の中―

薄暗い部屋だ・・・。気になるのはこの二つのスイッチか(ビリビリしなきゃいいけど・・・)。

・・・ガガッ・・ヨウコソ・・・オテモトノメモニソッテ、コウドウシテクダサイ・・。

うわっ!びっくりした・・。

なになに、「報酬あり!実験にご協力ください!―囚人のジレンマ―」・・・。

【囚人のジレンマ】とは

囚人のジレンマ】というゲームがあります。

これは、二人のプレイヤー同士が協力する方が全体として得になるとしても、

個人の利益だけを考えた場合、協力しないことを選択してしまうというパラドックスです。

文字だけだと分かりにくいですね!

以下、【プロローグ】で少年がすることになったゲームの内容をもとに説明したいと思います。

今回、少年がこの小屋ですることになったゲームは以下の通りです。

・プレイヤーは二人、それぞれ手元の【協力ボタン】または【裏切りボタン】を押す。

・お互いが【協力ボタン】を押した場合、二人とも参加報酬として3,000円を貰える。・・・

・片方が【協力ボタン】、もう片方が【裏切りボタン】を押した場合、

【協力ボタン】を押した方は報酬を貰えないが、

【裏切りボタン】を押した方は報酬として5,000円を貰える。・・・

・お互いが【裏切りボタン】を押した場合、二人とも参加報酬として1,000円を貰える。・・・

・お互いに意思の疎通は図れない。

このような条件の時、どのような行動をとるべきなのでしょう。

全体の利益から考えた場合

全体の利益、すなわち二人が得る報酬の合計額を考えた場合、

3000協力+3000協力=6,000円

0協力+5000裏切り(または5000裏切り+0協力)=5,000円

1000裏切り+1000裏切り=2,000円

以上の結果から、全体の利益として考えると、①つまりお互いが【協力ボタン】を選択した場合に

最も良い結果となることが分かります。

個人の利益から考えた場合

次に、個人の利益を追求した場合を考えてみます。

自分が【協力ボタン】を選択していた場合、

―相手も【協力ボタン】を選択→自分は3,000円の利益

―相手が【裏切りボタン】を選択→自分は0円の利益

自分が【裏切りボタン】を選択していた場合、

―相手が【協力ボタン】を選択→自分は5,000円の利益

―相手が【裏切りボタン】を選択→自分は1,000円の利益

以上のようになります。ここで気が付くのは、相手がどちらのボタンを選択していた場合でも、

自分は【裏切りボタン】を押していた方が利益が出ているということです。

以上の結果から、全体の利益を考えた場合と個人の利益を追求した場合で

押すべきボタンが変わることが分かります。

そして、【お互いの意思の疎通が図れない】という条件で、相手が裏切る可能性を否定しきれずに

全体としては損となってしまうにもかかわらず協調することを回避してしまう。

これこそが【囚人のジレンマ】という矛盾をはらんだゲームというわけなのです!

エピローグ

3,000円貰えたら、貯金と合わせてゲームが買えるな・・・。

よし、ここは【協力】だ!ポチッ

・・・ガガッ・・ケッカヲハッピョウシマス・・・。

【キョウリョクボタン】ト【ウラギリボタン】ガオサレマシタ・・・。

【ウラギリボタン】ヲオシタカタハ、ホウシュウヲオウケトリクダサイ・・・。

・・ゴキョウリョク、アリガトウゴザイマシタ・・・プツッ。

そんな・・・、裏切られてしまった・・・。

―小屋の外―

くそーっ、こんなことなら【裏切り】にしとけばよかった!!

むむ、もしや少年がわしの相手だったのかの!

あっ、博士。

博士が僕を裏切ったんだね、ひどい!

ふぉっふぉっふぉ。すまんの。

誰かも分からぬ相手だと【裏切り】を選び合うのがセオリーじゃと思っての。

わしにはこの報酬は相応しくないの。

これで好きなものを買うと良いのじゃ。

これ、報酬の5,000円じゃん!いいの?

見知らぬ相手に対して【協力】を選べる心意気にささやかなプレゼントじゃよ。

やったー!ありがとう博士!

(まあ、3,000円欲しかったから【協力】を選んだだけだけどネ。)

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