プロローグ
はぁ~・・・。う~ん。
ため息なんてついて、どうしたんじゃ?
あみだくじで劇の役を決めるんだけど、主役を引き当てたいんだ。
あみだくじの法則を知っていれば、当たりを引く確率を高められるんじゃ!
ほんとに!教えて!
あみだくじって実は不公平?
話し合いでも多数決でも決まらな~い!
皆さんは公平に物事を決めるとき、どんな手段を使いますか?
じゃんけんやくじ引き、コイントスをすることもあるでしょうか。
そんな決め方の一つに、あみだくじがあります。
簡単に作れて平等感もありますが、実は作成者に有利なのです。
目的の場所の真上を選ぶと当たる確率が一番高くなる!
限りなく選択肢を増やしたあみだくじ(縦線をたくさん引いたあみだくじ)を考えた場合、
その選択先の分布は、正規分布に近づくと言われています。
正規分布の図の意味は、真ん中(選んだ場所の真下)が一番確率が高くて、外側に行くほど確率が低いってことじゃ!
それでは、選択肢が三ヶ所(縦線が三本)の場合を例に、目的の場所の真上が一番当たりやすくなる
事実を体感していきましょう。以下では、左端に当たりがある場合について考えていきます。
具体例①:横線を一本も引かない場合
横線を一本も引かない場合は選んだ場所の真下に行くだけなので、当たるのは左端を選んだ場合
です。つまり、左端(100%)、真ん中(0%)、右端(0%)の確率で当たることが分かります。
そりゃそうでしょ!
具体例②:横線を一本引いた場合
次に、横線を一本引いた場合を考えます。今回は、2通りの線の引き方がありますね。
- 左端と真ん中の間に線を引く場合
- 真ん中と右端の間に線を引く場合
の2通りです。順に確認してみましょう。
- 左端と真ん中の間に線を引く場合
この場合、当たるのは真ん中になりますね。真ん中からのスタートで、左端に曲がります。
2. 真ん中と右端の間に線を引く場合
この場合、当たるのは左端を選んだ場合です。真下に進むだけですね。
これらの結果から、横線を一本だけ引いた場合は
左端(50%)、真ん中(50%)、右端(0%)の確率で当たることが分かります。
この場合は右端だけ当たらないんじゃな。
具体例③:横線を二本引いた場合
最後に、横線を二本引いた場合を考えてみましょう。今回は、4通りの線の引き方がありますね。
- 左端と真ん中の間に線を二本引く場合
- 真ん中と右端の間に線を二本引く場合
- 上から順に、左端と真ん中の間→真ん中と右端の間に線を一本づつ引く場合
- 上から順に、真ん中と右端の間→左端と真ん中の間に線を一本づつ引く場合
の4通りです。順に確認してみましょう。
- 左端と真ん中の間に線を二本引く場合
この場合、当たるのは左端となります。一度真ん中に移動した後、再び左端に戻りますね。
2. 真ん中と右端の間に線を二本引く場合
この場合、当たるのは左端となります。真下に進むだけですね。
3. 上から順に、左端と真ん中の間→真ん中と右端の間に線を一本づつ引く場合
この場合、当たるのは真ん中となります。一度左端に曲がった後、真下に進みますね。
4. 上から順に、真ん中と右端の間→左端と真ん中の間に線を一本づつ引く場合
この場合、当たるのは右端となります。最初に左に曲がった後、もう一度左に曲がりますね。
これらの結果から、横線を二本引いた場合は
左端(50%)、真ん中(25%)、右端(25%)の確率で当たることが分かります。
左端だけ50%の確率だ!
具体例のまとめ
さて、ここまでの結果をまとめてみましょう。
当たりが左端にある条件のとき、どこを選べば当たりを引く可能性が高いのかを調べてきたのでした。
- 横線を一本も引かない場合
当たる確率は左端(100%)、真ん中(0%)、右端(0%)
2. 横線を一本引いた場合
当たる確率は左端(50%)、真ん中(50%)、右端(0%)
3. 横線を二本引いた場合
当たる確率は左端(50%)、真ん中(25%)、右端(25%)
となります。
あっ、どの場合でも当たりの真上の左端を選ぶときが一番確率が高い!!
そうなんじゃ!
だから、くじの作り手は最後に選ばない限り、より確率の高い場所を選べるってワケじゃ。
そして当たりから遠いところを選ぶほど確率が低くなる傾向もでておるじゃろ?
うん。右端は当たらなそう~。これが、「せーきぶんぷ」なんだね!
今回は線の数が少ないからおおざっぱな傾向じゃが、
本数が増えるともっと滑らかな分布になるんじゃ!
エピローグ
ありがとう、博士。早速あみだくじを作ってみんなに引いてもらうよ。
まあ、多少確率が高くなる程度で、結局は運じゃがな。健闘を祈っておる。
翌日・・・
博士!主役を引き当てたよ!
それはよかったの。ちなみにどんな役なんじゃ?
初鰹!
(いったいどんな劇なんじゃ。。。)
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