2の累乗|倍々ゲームの恐怖!指数関数的増加は侮ってはいけない!

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右肩上がり数学
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プロローグ

ポストに見慣れぬビラが投かんされておるの。(ガサガサ)

なになに―――

「お金にお困りのあなた!審査なしで100万円即ご融資します。

返済額は初日は1円でOK!!!

借りた翌日から1か月間、前日の返済額の倍額をお支払いいただくだけ!!!」

じゃと・・・。

まったく、質の悪い広告じゃの。

2の累乗の増加ペースは半端じゃない!

このビラに書かれた内容、少し考えただけだと「とてもお得!」と感じてしまいますが、それは罠。

実際に計算すると、1か月後にはとんでもない返済額になってしまうことが分かります!

以下で実際に検証してみましょう。

ビラに書かれた文言を読み取ると、借金の支払額を示す計算式は次のようになります。

n日目の支払額=2n-1

実際に計算してみると、1日目の支払額は

1日目の支払額=21-1=20=1 円

となります。ここで、x0=1であることに注意してください(X=0を除く)。

同様に計算すると、2日目は

2日目の支払額=22-1=21=2 円

3日目は

3日目の支払額=23-1=22=4 円

となります。この程度の支払額なら全く問題ないですね。

一気に飛んで2週間後、14日目の状態を確認してみましょう。

14日目の支払額=214-1=213=8,192 円

です。

なんだ、もう折り返しというところなのに全然余裕じゃないか!

こちとら100万円持ってるんだぞ(# ゚Д゚)と思われるかもしれません(笑)

しかし、指数計算の本当の怖さはもう目の前に迫っています。

15日目の支払額=215-1=214=16,384 円

16日目の支払額=216-1=215=32,768 円

17日目の支払額=217-1=216=65,536 円

18日目の支払額=218-1=217=131,072 円

19日目の支払額=219-1=219=262,144 円

20日目の支払額=220-1=219=524,288 円

21日目の支払額=221-1=220=1,048,576 円

・・・はい。支払三週間にして、1日の返済額が元本の100万円を超えてしまいました。

累計額で考えれば既に元本の倍以上を支払っている計算なのです!

そしてなんと、一か月後には(n=30とします)・・・、

30日目の支払額=230-1=229=536,870,912 円

・・・5億円!!!

指数計算は、指数部分の値が大きくなってくると急激に値が伸びてきます。

今回の例のような一見お得に感じる表現は、最初の方だけを考えるのではなく、

面倒くさがらずに最後まできちっと計算する癖をつけた方が良いですね!

補足:2の累乗にまつわるエピソード

このようなエピソードは逸話として語り継がれているものもあります。

曽呂利新左衛門: 秀吉からの褒美に、日ごとに倍増える米粒を望んだという話。

チェス盤と小麦の問題(英語のページです): 海外では米粒の代わりに小麦が例としてでてきます!

エピローグ

ま、この手の怪しい広告は無視が一番じゃな。(ゴミ箱へポイー)

翌日

今日も何か届いているかの。(ガサガサ)

むっ、また昨日のビラが届いておるの。全く・・・懲りずに。(ピラッ)

―――2枚・・・。

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